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畳の部屋で(後編)

こんにちは、ひめごとです。
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7月最後の日曜日に部屋を決めたのですが、その前々日の金曜の夜、鳩とひめごとは初めて大きな喧嘩をしました。

土曜日に鳩と2人で前から行きたかったレストランに行こうねって約束していたのですが、昼間、幸子を含め会社の新入社員4人+鳩の男女5人で海に行くことになったというのです。

海なんかに行ったら、ヘトヘトに疲れるに決まってるじゃん。
しかも、渋滞に巻き込まれたら予約の時間に間に合わないかもなんて・・・そんなの嫌だよ。

当時から幸子は鳩のことを狙っているという噂が立っていたというのもあって、ひめごとは「行かないで欲しい」とお願いしました。
鳩が遊びに行くのを止めたのなんて初めてだし、束縛はしたくなかったけど、どうしても嫌な予感がしたんです。

鳩はひめごとの押しに負けて、幸子に
「明日行けなくなった。ごめん。」
とメールで連絡をしました。

そしたらその直後、幸子から鳩の携帯と会社から支給されているPHSに何度も何度も繰り返し幸子から着信が。
いくらなんでも、夜中の1時すぎに単なる先輩の電話に何度も電話なんてかけてくるわけない。
こんなの、幸子に好かれてるに決まってるじゃん。
しかも、幸子が電話してくるのは今回が初めてではない。きっともう何度も連絡したことがあるんだ。。。
浮気とまではいかないまでも、鳩が幸子とそういう仲であることに嫉妬しました。

尋常じゃないその電話のしつこさに、
「絶対に行かないでほしい。幸子に期待させてるんじゃないの?もっと気をつけて距離をおくようにしなよ。」
と鳩に言いました。
幸子はひめごとと同棲していることを知らなかったし、まだ鳩に告白もしていなかったので、鳩が幸子に気をつけるにも気をつけにくい状況ではあるのですが。

結局泣きながら、朝の5時まで話しあいましたが
「俺が我慢して海に行かなかったとしても、行けばよかったのにっていう気持ちがよぎって、ひめごととは楽しく過ごせない。それに俺はドタキャンするような人間だと思われたくない。ちゃんと時間に帰ってくるから、海には行ってくる。」
と7時頃寝不足でフラフラにも関わらず出かけました。

ここまでひめごとが言っても鳩がそうしたいなら、そうしてほしいと思って笑顔で送り出したものの、本当は辛かった。
気を紛らわそうと思って出かけたけど、その日は駅のホームで泣いてしまいました。

夕方、鳩がクテクテになりながらも約束の時間に間に合うように帰ってきてくれたのですが、どうも気持ちはすっきりしませんでした。
きっと鳩も同じだったと思います。

何も言わずに、あの時軽く送り出せばよかったのかもしれませんね。
今となっては、もう戻ろうと思っても戻れない過去です。

束縛なんてしたくなかった。
ひめごとのワガママだったのでしょうか。
でも、怖かったんだ・・・。


そんな次の日、同棲する部屋を契約。
悪いこともあれば、いいこともあるんだな。
鳩との関係は、もっといいものになるんだな。って思ってました。

もしかしたら、心が離れていく予感を無意識に物理的な方法で埋めようとしたのかもしれませんね。鳩も、ひめごとも。
振り返ればそう思うことができるけど、あの日の2人には何も予想できませんでした。

新しい生活がキラキラ光って見えてました。
鳩を想う気持ちに一点の曇りもなかった。疑う余地もありませんでした。
あんなに確かに見えていたものが、こんなに不確かなものだった。
信じるって怖いですね。


約束の時間の5分後、ようやく鳩が部屋にやってきました。
「久しぶり。」と鳩。会社で会ってるくせに。
それ以外、お互い言うことはないのだけれど。

当たり障りのない会話。
残ったゴミを捨てて、鍵を受け取って、

「じゃあね。」
「うん、バイバイ。」

正味20分でした。

鳩は何かを思っていたのかな。
ひめごとはいろいろ思ってました。

でも
どれだけ時間をかけたとしても、
どれだけ心を砕いたとしても、

こんな思い、もうとても鳩には伝わりません。

さよなら。

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2007年03月26日 23:34に投稿されたエントリーのページです。

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